特許法の保護対象

今回のポイント

・特許法が保護するのは「発明」
・「発明」とは「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」

特許についてのご相談でよくあるのが、
「こういうアイデアを思いついたのですが、特許になりますか?」という問いかけです。

そもそも特許法が保護している「発明」とは何か、
そして、その発明に「該当しないもの」はどこまでか。

今回は、特許法第2条に触れながら、
「特許法の保護対象」と「発明に該当しないもの」を整理します。

① 特許法の保護対象

特許法が保護するのは「発明」です。
特許法第2条第1項では、発明を次のように規定しています。

特許法
第2条第1項 この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。

この規定をざっくり言い換えると、

  • 自然法則を利用していること
  • 技術的な仕組み・考え方であること
  • 単なる思いつきではなく、創作として一定の高度さがあること

といった要件を満たしたものが「発明」と扱われます。

② 発明に該当しないもの

では、どのようなものが「発明」に該当しないのでしょうか。
特許法第2条の定義およびその解釈に沿って整理すると、次のようなものは原則として発明にはなりません。

区分発明に該当しないもののイメージ該当しない理由
(i) 自然法則そのもの万有引力、熱力学法則、化学反応式など自然法則は「利用する対象」であり、創作ではない
(ii) 自然法則を利用していないものビジネスルール、ゲームルール、商習慣など自然法則を利用しておらず、物理的・技術的仕組みが存在しない
(iii) 技術的思想ではないもの数学の理論・学説、抽象概念、人の心理作用技術の仕組みを伴わず、再現可能な処理体系になっていない
(iv) 創作ではないもの単なるアイデア、願望、概念レベルの思いつき具体的構成・手段に落ちておらず、技術として成立していない
(v) 高度なものでないもの一般的・慣用的で誰でも思いつく手段のみ技術的価値・工夫が認められず、「高度なもの」の要件を満たさない

この分類で見ると、
どこが満たされていないのかを特定するほど、アイデアを発明へ近づけやすくなる
という点がポイントになります。

③ まとめ

今回の内容を短く表すと、

技術的な仕組みとして成立しているものだけが、特許法上の「発明」になる

ということになります。
そして、発明に該当しないものは条文の考え方に沿って5つに切り分けることで整理できます。

もし
「まだ仕組みが固まりきってないけれど、発明に近づけられるのかな?」
「アイデア段階でも相談していいのかな…?」
と不安を感じられている方がいらっしゃれば、遠慮なくご相談ください。

どの部分が“発明に近い”のか、どこを補うと技術的な仕組みとして成立するのか、
権利として守る視点と、事業で活かす視点の両方から 一緒に整理していけたらと思います。